EMS(Electronics Manufacturing Service)だけでなく設計開発まで請け負うDMS(Debelopment&Design Manufacturing Service)へ、モノづくり力で産業DXを支えるOKIの進化:MONOist[小嶋秀治コジーの今週気になるDXニュースVOL20210824-02]

EMSからDMSへカバー範囲を拡大MONOist DMSの強化を大きなポイントと挙げています。なぜDMSへの取り組みを強化するのでしょうか。OKI 執行役員 EMS事業部長の西村浩氏西村氏 外部的な環境面と内部的な事業面の両面で価値がある。環境面でいくと、あらゆる産業でDXなどが進む中、使用する機器やそれらで使う技術についても、従来の産業の枠組みだけでおさまらないものが求められるようになっている。こうした中で、さまざまな産業に特化した製造業でも開発負担が高まっており、自社内で全ての開発を行うのが難しい状況も生まれてきている。そのため、こうした開発を外部で担う役割が広がってきている。例えば、OKIはもともと情報通信や無線技術を抱えているが、DXが進む中で従来ネットワーク活用を想定していなかった機器でも無線通信技術を組み込むケースなどが出てきている。こうした無線通信技術はモジュール化されているものも多いが、産業向けなどで安定稼働を行うためにはノウハウなども必要になる。EMSとして生産を請け負うだけでなく、こうした開発のコツなども含めて設計部分も担ってほしいというニーズが高まってきており実際に相談も増えていた。これらに応える必要があった。一方で、事業としてもEMSだけではスマイルカーブの底を担うだけだったが、設計領域までを担うことで付加価値を高めることができる。また、設計も合わせて担うことで製造しやすい形の設計を行うことができる他、部品の選定なども自由に行えるようになり、EMS部分の収益性も高めることができる。顧客に対してもリードタイムの削減や原価低減などの効果を還元できるようになる。これらの点からDMSの比率を高めることを目指している。現状ではDMSの売上高はEMSの半分以下だが、2022年度以降は50%以上に引き上げる。DMSでのポートフォリオをいかに増やすかが重要だと考えている。設計案件が受注できれば、そのまま量産に向けたEMSの受注も必然的に増やすことができる。何年後かの受注のめどが立つようになり、事業運営の予想が立ちやすくなるという利点もある。1社でも多くDMSでの受注を増やし、関係性を広げていくことが重要だ。DMS推進部を新設MONOist 新たにDMSを推進することなどを含め、体制の整備も進んでいます。西村氏 新たにEMS事業部内に「DMS推進部」を設置した。ここでDMSに関する案件の交通整理を行っている。DMS強化がポイントといっても、相談が来る案件の中にはOKIの強みが発揮できる場合もあればそうではないものもある。また、ビジネス面で対応が難しい場合もある。こうした見極めを行うとともに、社内のリソースとの調整を行う役割を担う。OKI コンポーネント&プラットフォーム事業本部の組織体制(クリックで拡大)出典:OKIさらにEMS事業部内だけでなくOKIとしても、これらに応える体制変更も進んでいる。EMS事業部はコンポーネント&プラットフォーム事業本部内にあるが、同様に機器開発を行うATMや鉄道の発券機などを展開する自動機事業部、2021年4月に吸収した旧OKIデータの情報機器事業部などと、共通機能を横ぐしで利用できる組織体制へと変更があった。設計開発などを担う「開発本部」、共通の生産技術を扱う「生産統括本部」、ビジネス管理などを行う「ビジネスサポート本部」、他社とのコラボレーションを推進する「ビジネスコラボレーション本部」などである。これにより重要度が高いプロジェクトではより多くのリソースが活用できるようになった。開発本部で考えると700人以上の人員が配置されており従来以上に幅広い技術を活用できる土壌ができた。DMSを強化していく上で、技術の幅や量などを含めて自由度が高まり、そこが大きなポイントだと考えている。また、EMS事業部内でも、子会社4社を2社に統合し、意思決定の迅速化やシナジー強化を図る他、アクチュエーターを扱うOKIマイクロ技研を傘下に加え、キーコンポーネントを押さえた設計・製造が行えるような体制を整えている。「高品質が求められる装置」に特化MONOist DMSを強化する中で、重視する分野はありますか。西村氏 基本的には従来のEMS同様、高品質で故障が許されないような難しい領域で使用される装置や機器の開発や生産を受託するという方向性は変わりない。民生品のような大量生産を行う領域を積極的に拡大するつもりはない。EMS事業はもともとOKIで生産を行っていた情報通信分野からスタートしたが、FA機器や電力インフラ機器などの産業分野、半導体テスターなどの計測分野などが拡大。最近では、高度治療機器や内視鏡制御装置などの医療分野や衛星向けの電子基板など航空宇宙分野などを伸ばしており、これらの5分野が得意領域である。これらのEMSでも対象としてきた領域を、DMSまで受注できるように提案を進めているところだ。医療機器や航空宇宙分野などの新たな領域拡大に注力してきたが、ここ最近は旺盛な半導体需要などもベースに半導体製造関連機器の電子制御関連の受注が大きく増えている。半導体関連は需要の波が大きいので従来は慎重に見てきたが、現状の引き合いが非常に強いためにしばらくは強化していく。

https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2108/24/news105_2.html

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