NECは、「GIGAスクール構想」の推進に向けた教育ICT事業の強化施策を発表した。教育機関を対象として、教育クラウド「Open Platform for Education (OPE)」や学習者用端末、教育支援サービスなどの製品群を拡充したと発表![小嶋秀治コジーの今週気になるDXニュースVOL20210301-03]

GIGAスクール構想で全国5000校に100万ID以上を提供 政府は2020年度から、児童生徒1人1台のPC環境を整備するGIGAスクール構想を推進し、デジタル教科書の活用を含めた教育環境のデジタル化を加速している。2020年度は小中学校が対象となっていが、2021年度は高校へと導入が拡大する予定だ。NEC 第一官公ソリューション事業部シニアマネージャの田畑太嗣氏は、GIGAスクール構想と同社のOPEについて次のように説明する。「『令和の日本型学校教育』の実現が進められるなか、2021年1月の中央教育審議会の答申では、急激に変化する時代のなかで育むべき資質能力についても言及されており、その実現には、ICTの活用が大きなウエイトを占めている。ICTの活用により、個別最適な学びと協働的な学びを推進することになるが、OPEは、この2つの学びを実現する上で強化を図る。画面を開けば授業で使うデジタル教材が目の前にすぐに表示され、授業でわからなかったら、自宅で振り返り学習するという環境の実現を支援したい」(田畑氏)これまでNECでは、GIGAスクール構想において、全国の小中学校約5000校に対して100万台以上の学習者端末(Chromebook、Windows PC)を導入している。またOPEの学習者向けIDは2020年12月末時点で100万IDに到達、2021年3月末までに約150万IDに達するという。田畑氏は「5000校への導入実績は想定以上のもの。約3割の市場シェアを獲得していきたい。年度内の受注案件については、年度内に納入できる目途が立っている」とした。なお学習者端末の構成比はChromebookが圧倒的に多いという。教育クラウド「OPE」を強化、「学習eポータル」準拠やデジタル教科書対応NECのOPEは、2020年7月から提供を開始したサービス。GIGAスクール構想で導入された学習者用端末から、全教科に対応したドリル教材「AIドリル」や、実践的英語力を鍛える教材「Terra Talk」、プログラミング教材の「ロジカ式 for School」などを、シングルサインオンで、シームレスに利用できるのが特徴だ。今回はこれを強化し、文部科学省が推進する「学習eポータル」の仕様に準拠。新たにデジタル教科書に対応するほか、各種デジタル教材の拡充を図る。 政府では、臨時休校などの緊急時においても児童生徒の学びを保障する仕組みとして「学びの保障学習オンラインシステム(MEXCBT)」の構築を進めている。このMEXCBTと連携するシステムの入口が学習eポータルであり、これを活用して児童生徒がデジタル教科書や教材などを利用することができる。「学習eポータルは、いつでも、どこでも学習ができ、学習者にとって、デジタル教科書、教材、動画コンテンツなどが利用できる学習のハブ(つなぎ役)になる。NECはその考え方に賛同して、OPEを準拠させる」(田畑氏) 具体的には2021年度以降、文部科学省から提示される指針に準じて、MEXCBTとの接続のほか、マルチOS対応、統合型校務支援システムとの連携、学習者用デジタル教科書対応、各種デジタル教材やEdtechサービスとの連携、ダッシュボードサービスによる学習履歴の活用といった機能強化を図っていく。田畑氏は、こうした機能によって個別最適学習の実現につながるほか、教育委員会や学校の側ではどの教材が多く使われているのかを把握することができ、指導に効果的なコンテンツを他の教師にも紹介できると説明する。また「学校ICT総合サポート」についても今年4月以降、サービス強化を図る。具体的にはN1、N3、N5の各契約プランにおいて、従来の教師や教育委員会だけでなく、児童生徒からの直接の問い合わせにもサポート窓口で対応する。日教販との提携でOPEでのデジタル教科書、デジタル教材充実を進める学習者用デジタル教科書は、日教販との協業により対応する。日教販では2019年、NECとOPEに関する業務提携を結んでおり、OPEで利用できるデジタル教科書やEdTechアプリなどの販売、フリーミアムプランの提供などを行っている。日教販 執行役員 デジタル事業部長の加藤幸彦氏は、日教販では70年間の教育図書専門取次事業で蓄積したノウハウを生かし、教育系出版社向けに学参書籍のデジタル化支援を行って、教育系出版社との連携を通じてデジタル教材をOPEに搭載してきたと説明する。「すべてがデジタルになるということではなく、児童生徒に個別最適化された紙とデジタルの融合による最適な学習環境の構築と、学校への学習教材の提供が必要。大切なのは両者の利便性を損なわずに、紙で行われてきたこれまでのサービス体制を引き続き継続することだ。全国53カ所の特約供給所とのネットワークを生かし、特定の教材やサービスに縛られず、多様な学習教材を紙とデジタルで分け隔てなく提供することにより、誰一人、取り残すことがない教育の実現を支援する」(加藤氏)さらに、各種デジタル教材の拡充では、新たに10社以上と連携してドリル教材や電子辞書アプリや学習支援ツールなども提供。またNECでは2021年度、OPEのID発行を無償で行うキャンペーンを実施するとしている。「協働学習支援」「オンライン進路相談」など新サービス予定も披露 発表会では、2022年以降に順次提供を開始する予定のOPE新サービスも3つ紹介された。「協働学習支援サービス」は、新学習指導要領で重視されるアクティブラーニングやグループ学習における「発話」を可視化するサービス。3~5人のグループディスカッションで、学習者PCのマイク機能とAIを活用し、個々人の発話数や発話量など話し合い活動のデータを可視化できる。また教師が1人でも、登録したキーワードの使用数がわかったり、グループ別の話し合いの再生ができるなど、学習の振り返りや指導改善が期待できるという。現在、京都市内の小中学校で実証実験を行っている。 「Online PBL(Project Based Learning、探求学習)Platform」は、学校現場での新たな授業形態であるPBLを、学習者が時間や場所や立場を超えてオンラインで実践できるプラットフォーム。児童生徒同士や学校外の人とのコラボレーションの場として、より一層深い議論や授業の振り返りを可能にするという。「オンライン進路相談プラットフォーム」は、高校生がキャリア教育の中で社会人や大学生に進路相談をすることで、自身の歩みたい進路探しやなりたい職業までのパスを具体化することを支援する。田畑氏は「面談者探しや面談者調整、面談や仮説検証が可能であり、学校のなかにいただけではできなかったことがオンラインを活用して実現できる」と述べ、高校生自身が自ら意思を持って進路選択すること、社会と接続された学びの実現を目指すことができると述べた。 「協働的な学びを推進するうえでは、児童生徒同士の話し合いのなかで気づきがあったり、人のことを思い合うといった協働学習ならではの状況を見える化する必要がある。音声をAIで分析する協働学習の見える化、プラットフォーム上で深くなっていく探求学習を見える化すること、社会の接続を実現する進路相談サービスを体系的に提供することで、授業や生徒の成長をサポートしたい」(田畑氏)Wi-Fi 6対応の学習者端末、無線LANアクセスポイントもリリース 学習者用端末やネットワーク機器の強化は、Wi-Fi 6に対応した製品をラインアップするなど、教室での安定的な利用を支援するものになる。学習者端末では、Wi-Fi 6やHDMI出力に対応し、PC本体に収納できる充電式デジタイザーペンを採用した「NEC Chromebook Y3」、Windows10搭載の「VersaPro Eシリーズ タイプVR」などを追加投入。またネットワーク機器として、Wi-Fi 6対応の無線LANアクセスポイント「UNIVERGE QX-W1120」を提供する。 上述のChromebook Y3は2021年6月から、またVersaPro Eシリーズは2021年8月から出荷。いずれもオープン価格だが、GIGAスクール構想の補助金である1台4万5000円以下の価格設定となっているもようだ。またQX-W1120は2021年6月から出荷で、税抜価格は9万8000円となっている。 「教育クラウドに加えて、1人1台のPCをはじめとした端末から、サーバー、ネットワーク、サービスサポートまでをトータルで支援できるのがNECの最大の強み。問題の早期切り分けや早期解決、学習者目線や先生目線でのサポートができる。GIGAスクール構想による1人1台の整備はまだスタートに立った段階だ。NECは、学習者と先生の個別最適、協働的で豊かな学びを、テクノロジーでサポートし、個人の人生に寄り添う学習プラットフォームを提供する」(田畑氏)

GIGA SCHOOL: 教育機関向けソリューション | NEC

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