新たな発電方法の確立に向けた巨大な国際プロジェクトが進んでいます。
EU、アメリカ、ロシア、中国、韓国、インド、日本からなる「ITER国際核融合エネルギー機構」が、フランス南部サン・ポール・レ・デュランスで建設を進めている、国際熱核融合実験炉「ITER」計画です。
2月のサイエンス思考では、量子科学技術研究開発機構、核融合エネルギー部門長の栗原研一博士にご協力いただき、核融合を利用した発電の原理や、世界の科学の粋を結集して建設されている核融合炉ITERの現状、そして、日本でも進められている実証実験について前後編の2編で紹介します。
「核融合」と「原子力発電」はどう違う?
ITER計画は、「核融合」という核反応を利用した次世代の発電設備の実証試験のための計画です。
2007年にITER機構が発足すると、その3年後の2010年には建設が開始され、日本企業が主要なハイテク機器の多くの製造を担当しています。
核融合実験炉 ITERの総建設費は約2.5兆円。日本も、建設費の約9%にあたる約2300億円を負担しています。
「核」という言葉が含まれていることから、原子力発電のようなものを想像する人も多いかもしれませんが、核融合炉は、原子力発電とはまったく別の技術を使った発電方法です。
少なくとも、原子力発電で問題となる高レベル放射性廃棄物は発生しません。
また、火力発電のように、燃料として化石燃料を使用することもありません。もちろん、地球温暖化の原因の一つとされている、二酸化炭素も排出しません。
経済産業省が発行している2020年エネルギー白書では、
「核融合エネルギーは、エネルギー問題と環境問題の根本的な解決をもたらす将来のエネルギー源として大いに期待されています」
とされており、ITER計画や関連する国内の核融合研究を推進するために、毎年約200億円を超える予算がついています。
核融合炉を使った発電は、まだ実証試験段階ではあるものの、次世代の発電方法として一定の期待とともに研究が進められているといえそうです。
1グラムで石油8トン分。“太陽“を人工的に作る技術、核融合発電は脱炭素の切り札となるか? | Business Insider Japan

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