「ローカル5G」をデジタル変革(DX)のインフラとし、新産業創出に役立てたい。
ローカル5Gは第5世代通信(5G)を企業や自治体が無線局免許を取得し、地域限定で利用する制度。通信事業者のみに付与されていたライセンスバンド(免許が必要な周波数帯)を民間開放することから「通信の民主化」とも称される。
超高速、低遅延、同時多接続という5Gの機能を生かし、工場内の通信回線無線化や設備の遠隔制御、遠隔監視などさまざまな活用が可能になる。既存の通信事業者が5Gサービスを提供していないエリアでも、自前で通信網を構築できる。
総務省は約1年前にローカル5Gに割り当てた高周波の28・2ギガ(ギガは10億)―28・3ギガヘルツに加え、新たな周波数Sub6(サブシックス)帯(4・6ギガ―4・9ギガヘルツ)と高周波の拡張分28・3ギガ―29・1ギガヘルツを開放、18日から免許申請の受け付けを始める。
Sub6は遮断物や雨に強く電波が広域まで届く。現行の4G技術の携帯電話や無線LAN技術との相性もよい。一方で28ギガヘルツ帯に比べ速度や同時多接続性には劣る。導入を検討する企業は帯域の特性を踏まえ、自社に適したネットワークを構築できるようになる。
工場や建物などの所有者が自ら免許を取得するだけでなく、利用者から委任を受けた事業者が免許人となり、サービス提供することもできる。ネットワーク技術に強いシステム構築(SI)業者などもビジネスチャンスと考え参入を目指している。
課題は投資対効果。ローカル5Gは敷地内で使う基地局などの通信設備を自ら構築しなければならず、初期コストは重い。これまで23社・者が免許を交付されているが、コロナ禍もあり実証実験止まりなのが現状だ。
DXは企業にとって必須となりつつある。ローカル5Gは、工場内データを即時処理するエッジコンピューティングなど、モノづくりの先進技術にも親和性が高い。関係者の努力で導入コストを引き下げ、より多くの利用が進むことを期待したい。

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