CBDCが実現したときのイメージはこうだ。スマートフォンにアプリを入れ、その中の電子ウォレットにCBDCを入れて残高を管理する。お店に行って支払うときには店側のQRコードを読み取って支払いを行う。
すでにカンボジア中銀が10月末に正式導入を決めたCBDC「バコン」の利用イメージを見ると分かりやすい。銀行口座から入金を行い、アプリ内で残高を管理して、ほかの利用者への送金や、QRコードを使った店舗での支払いが行える。
これを見ると、PayPayのような民間のスマホ決済サービスとよく似ていることが分かる。一体何が違うのか? 「中央銀行が発行した中銀マネーだということが違う。現金の代替として発行され、現金と同様の機能を果たす」と中島氏は説明する。
詳しく見ていこう。大きな違いは4つある。
1つは、汎用性があり強制力があることだ。PayPayなど民間の決済サービスでは対応した加盟店でしか利用できない。ところが現金と同様に強制的に通用力を持つCBDCでは、「どこでも誰にでも」使うことができる。「うちは現金以外使えません」という店舗でも、CBDCは受け取らざるを得ないということだ。
QRコードを使う形式であれば、店頭にQRコードを印刷して貼っておくだけでCBDCを受け取ることができる。PayPayなどと同様に、導入のハードルは低いことが想像される。
2つ目は転々流通性があることだ。Suicaなどの電子マネーは、店舗への支払いには使えるが、個人間の送金には使えない。CBDCは現金同様に、個人から個人へ繰り返し譲渡できる仕組みだ。
3つ目は手数料が無料であることだ。クレジットカードや電子マネー、民間のQRコード決済では、加盟店に決済手数料を課すビジネスモデルとなっている。一方で、CBDCは現金同様に手数料はかからない。手数料がキャッシュレス化の障壁となっているといわれて久しいが、手数料無料のデジタル決済が実現することになる。
4つ目は、即座に決済が完了することだ。専門用語で「ファイナリティがある」という。CBDCでは、残高の受渡しを行った瞬間に決済が完了する。民間のスマホ決済も一見同じよに見えるが、実は決済が完了するのは数週間後、1カ月後だ。「電子マネーは、背後で銀行間の口座振替が必要。ファイナリティがない世界でやっている。発行主体が途中で倒産したときは、決済が最終的に完了しない可能性もある」
今後の課題は民間企業発行の先行PAY及び仮想通貨との競合だ!

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